犬の耳

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犬の耳

読んだ本、聴いた音楽、観た映画などを忘れないための「いぬのみみ」です

オーソン・ウェルズ『市民ケーン』


[あらすじ] 

暗く荒廃した壮大な屋敷で、“バラのつぼみ”という最後の言葉を残し、新聞王ケーンは死んだ。その後、ケーンの生涯をまとめたニュース映画が制作されるが、この内容に経営者ロールストンは不満を持つ。彼の命を受け、ニュース記者トムスンは、“バラのつぼみ”という最後の言葉の中に、ケーンの真実の人間性を解く鍵があると信じて、その意味を探ることに。そして、彼の生涯に関係があった人々を歴訪するのだが・・・。

 

トランプが大統領戦を制した。私にはそれが衝撃的だった。彼の顔を見ると、この映画のことを連想せずにはいられない。

 

本作の筋書きはこうだ。親から遺産を相続した一市民のケーンは、成人すると新聞社を立ち上げ、攻撃的な嘘を書き立て発行部数を伸ばす。

莫大な財産を稼ぎ「新聞王」となったケーンは、巨大な宮殿を建て、栄華を極めるが、反面彼自身の孤独は深まってゆく。あるとき「労働者の味方」を称して選挙に立候補し、圧勝が予想されたが、スキャンダルによって落選する。

 

映画の構造はいかにもアメリカ的であり、アメリカの精神をよく反映している。それが高い評価の理由であろう。

 

ケーンは落選して失脚するが、トランプは大統領になってしまった。アメリカ人の同僚に「ケーンとトランプは似ている」と指摘したら、彼は「トランプのほうがずっとクレイジーだ」と笑った。

 

アメリカという文化を考える上で、おすすめの作品。