犬の耳

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読んだ本、聴いた音楽、観た映画などを忘れないための「いぬのみみ」です

チャールズ・チャップリン『ライムライト』

映画

[あらすじ]

人生の美しさと哀しみを、残酷かつ美しくつづった、チャップリン白鳥の歌
落ちぶれた老芸人カルヴェロは、自殺未遂をはかったバレリーナを救う。彼女は足の病気で二度と踊れないと絶望していた。カルヴェロは彼女を励まし、勇気づける。そして自信を取り戻した彼女は再び舞台に立つ……。
チャップリンが生まれ故郷のロンドンに戻り、老境に入った自分自身の心境を吐露したセンチメンタリズムあふれる傑作。「人生を恐れてはいけない。人生に必要な物は勇気と想像を力と少々のお金だ」というあまりにも有名なセリフにはじまる、チャップリンの人生観が反映された人生訓のような名ゼリフの数々、アカデミー賞オリジナル作曲賞を受賞した名曲「テリーのテーマ」の哀感にに満ちた調べ、チャップリンと共にサイレント映画時代に喜劇王の異名をとったバスター・キートンと繰り広げる爆笑のボードヴィル芸など、チャップリンの映画人生の集大成ともいうべき作品である。

 

学生時代、 ろくに授業にも行かずに大学図書館チャップリンを毎日見続けた時期があった。確か、梅雨の只中だったと思う。『独裁者』の名演説に感動し、『モダン・タイムス』の皮肉に笑い、短編集では爆笑した。私は小柄なチャップリンの表情の奥深さ、喜劇の中に織込まれた重層的な作品世界にすぐに引き込まれた。そんな私のお気に入りで、その頃盛んに友人たちに勧めていたのが、この『ライムライト』である。

 

この作品、とにかく名言の塊である。チャップリンの、人生、生きることに対する熱意が伝わって来る。例えば、有名な以下のセリフで、喜劇王チャップリンは脚を故障して人生に絶望している若いバレリーナに語りかける。

 

“Life can be wonderful if you're not afraid of it. All it takes is courage, imagination ... and a little dough”

 

 

最も好きなシーンは、チャップリンとバレリーナの立場が逆転するところだ。ベテラン喜劇王は舞台に上がるも観客にそっぽを向かれ、次第に追い詰められてゆく。そんなチャップリンに対して、バレリーナは情熱をもって生きることを熱く語る。その瞬間、今まで「故障していた」バレリーナの脚は治り、立ち上がる。その場面に私は心を強く打たれた。

 

雨の日、家にこもると決めたときにオススメできる作品。