犬の耳

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犬の耳

読んだ本、聴いた音楽、観た映画などを忘れないための「いぬのみみ」です

アンドレイ・タルコフスキー『サクリファイス』

あらすじ 生命の樹を植える誕生日に核戦争は起こった!言葉を話せない息子、絶望に混乱する愛すべき人々のために、父は神と対峙する…。 1986年カンヌ国際映画祭で審査員特別グランプリを初めとする史上初の4賞を受賞した、映画史に燦然と輝く、タルコフスキ…

フリッツ・ラング『メトロポリス』

あらすじ 近未来、超高層ビルが立ち並ぶ都市メトロポリス。科学は発展していたが、労働者たちは地下の工場で使役され、支配者のみが地上で豊かな生活を送っていた。あるとき、支配者の息子フレーダーは労働者の娘マリアに恋をする。二人は階級社会に矛盾を抱…

サマセット・モーム『月と六ペンス』

あらすじあるパーティで出会った、冴えない男ストリックランド。ロンドンで、仕事、家庭と何不自由ない暮らしを送っていた彼がある日、忽然と行方をくらませたという。パリで再会した彼の口から真相を聞いたとき、私は耳を疑った。四十をすぎた男が、すべて…

オーソン・ウェルズ『市民ケーン』

[あらすじ] 暗く荒廃した壮大な屋敷で、“バラのつぼみ”という最後の言葉を残し、新聞王ケーンは死んだ。その後、ケーンの生涯をまとめたニュース映画が制作されるが、この内容に経営者ロールストンは不満を持つ。彼の命を受け、ニュース記者トムスンは、“バ…

アンドレイ・タルコフスキー『惑星ソラリス』

[あらすじ] 人間は過去の出来事や故人の想い出を意識の奥底にしまいこんできた。太陽系とは別の銀河系に属する惑星ソラリスの理性をもつ海は、想像を絶する独自の理性をもつ超知性体であり、その海は人間の潜在意識を実在する形に変換する不思議な能力をもち…

アンドレイ・タルコフスキー『ストーカー』

[あらすじ] 隕石の落下か、宇宙人の残した痕跡か――。地上に忽然と出現した不可解な空間「ゾーン」。ゾーンの奥には人間のいちばん切実な望みをかなえる「部屋」があるといわれ、そこへの案内人は「ストーカー」(密猟者)と呼ばれた。武装した警備隊の厳重な…

オルテガ・イ・ガゼット『大衆の反逆』

1930年刊行の大衆社会論の嚆矢。20世紀は、「何世紀にもわたる不断の発展の末に現われたものでありながら、一つの出発点、一つの夜明け、一つの発端、一つの揺籃期であるかのように見える時代」、過去の模範や規範から断絶した時代。こうして、「生の増大」…

J.S.バッハ『インベンションとシンフォニア』

www.youtube.com 最近、表題の楽譜を再び手に取った。 それまでバッハのインベンションといえば、小学生のころただなんとなく練習したきりだった。 大人になり、私はショパンばかり弾いていたのだが、いつのまにか段々とJ.S.バッハに引き寄せられていった。 …

宮崎駿『風の谷のナウシカ』

[あらすじ] 「火の七日間」と呼ばれた世界大戦から1000年後、地球は、毒ガスを吐き出し、不気味な蟲たちが徘徊する「腐海」と呼ばれる森に覆われようとしていた。ナウシカは、腐海のほとりにある「風の谷」の族長の娘である。ある日、風の谷に、蟲たちに襲わ…

志賀直哉『暗夜行路』

[あらすじ] 祖父と母との過失の結果、この世に生を享けた謙作は、母の死後、突然目の前にあらわれた祖父に引きとられて成長する。鬱々とした心をもてあまして日を過す謙作は、京都の娘直子を恋し、やがて結婚するが、直子は謙作の留守中にいとこと過ちを犯す…

フェデリコ・フェリーニ『8 1/2』

[あらすじ] 「人生はお祭りだ、一緒にすごそう」 温泉地に逗留している43歳の映画監督グイド(マルチェロ・マストロヤンニ)。この地で新作の撮影を控えているのだが、冷え切った妻との関係……公私ともども悩みの多い彼の脳裏には幼少時の記憶やまだ見ぬ夢の美…

ピエール・ジュネ『アメリ』

[あらすじ] 空想好きの小さな女の子アメリは、そのまま大人になってモンマルトルのカフェで働いている。彼女の好きなことはクレーム・ブリュレのカリカリの焼き目をスプーンで壊すこと、周りの人たちの人生を今よりちょっとだけ幸せにする小さな悪戯をしかけ…

森達也『FAKE』

もう数年前のこと。卒論の構想を書く中で、柳宗悦の説く「直観」の現代における重要性をとある”時の人”を例に挙げて説明したことがある。佐村河内守。耳の聴こえない作曲家として世が評価し、持ち上げ、そして「ゴーストライター」が発覚して世間から糾弾さ…

村田沙耶香『コンビニ人間』

[あらすじ] 36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。これまで彼氏なし。日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、毎日の安らかな眠りをもた…

ミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』

[あらすじ]本書はチェコ出身の現代ヨーロッパ最大の作家ミラン・クンデラが、パリ亡命時代に発表、たちまち全世界を興奮の渦に巻き込んだ、衝撃的傑作。「プラハの春」とその凋落の時代を背景に、ドン・ファンで優秀な外科医トマーシュと田舎娘テレザ、奔放…

村上春樹『アフターダーク』

[あらすじ] 真夜中から空が白むまでのあいだ、どこかでひっそりと深淵が口を開ける。 「風の歌を聴け」から25年、さらに新しい小説世界に向かう村上春樹書下ろし長編小説 マリはカウンターに置いてあった店の紙マッチを手に取り、ジャンパーのポケットに入れ…

夏目漱石『草枕』

[あらすじ] 智に働けば角がたつ、情に棹させば流される―春の山路を登りつめた青年画家は、やがてとある温泉場で才気あふれる女、那美と出会う。俗塵を離れた山奥の桃源郷を舞台に、絢爛豊富な語す彙と多彩な文章を駆使して絵画的感覚美の世界を描き、自然主…

わたしの本棚

はてなブログの今週のお題が「わたしの本棚」だったので、流行に乗って自分の本棚について少し書いてみようと思う。 東京に住んでいた頃、私は図書館で本を借りる派だった。経験上、買った本は「いつでも読める」と安心して先に延ばす。買ったこと自体に満足…

チャールズ・チャップリン『ライムライト』

[あらすじ] 人生の美しさと哀しみを、残酷かつ美しくつづった、チャップリンの白鳥の歌。落ちぶれた老芸人カルヴェロは、自殺未遂をはかったバレリーナを救う。彼女は足の病気で二度と踊れないと絶望していた。カルヴェロは彼女を励まし、勇気づける。そして…

アルベール・カミュ『異邦人』

[あらすじ] 母の死の翌日海水浴に行き、女と関係を結び、映画をみて笑いころげ、友人の女出入りに関係して人を殺害し、動機について「太陽のせい」と答える。判決は死刑であったが、自分は幸福であると確信し、処刑の日に大勢の見物人が憎悪の叫びをあげて迎…

オルダス・ハックスリー『すばらしい新世界』

[あらすじ]人工授精やフリーセックスによる家庭の否定、条件反射的教育で管理される階級社会――かくてバラ色の陶酔に包まれ、とどまるところを知らぬ機械文明の発達が行きついた“すばらしい世界”!人間が自らの尊厳を見失うその恐るべき逆ユートピアの姿を、諧…

安部公房『砂の女』

[あらすじ] 砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。家を守るために、男を穴の中にひきとめておこうとする女。そして、穴の上から男の逃亡を妨害し、二人の生活を眺める村の人々…

大江健三郎『M/Tと森のフシギの物語』(もうひとつの耳)

昔話を聞く、という経験をほとんどしたことがない。祖父母と暮らすことがなく、一年に一度か二度会うような生活だったからかもしれない。「むかしむかし、あるところに…」と始まる話は絵本の物語であって、さらに言えばわたしはそれを聞くのではなく読んでい…

フョードル・ドストエフスキー『罪と罰』

[あらすじ] 鋭敏な頭脳をもつ貧しい大学生ラスコーリニコフは、一つの微細な罪悪は百の善行に償われるという理論のもとに、強欲非道な高利貸の老婆を殺害し、その財産を有効に転用しようと企てるが、偶然その場に来合せたその妹まで殺してしまう。この予期し…

大江健三郎『M/Tと森のフシギの物語』

[あらすじ] 四国の森の奥深く、時の権力から独立した一つのユートピアがつくり出される。「壊す人」と「オシコメ」に導かれて展開する奇想天外の物語は、いつしか20世紀末の作家が生きる世界、われわれの時代に照応して行く……。人間の再生と救済を求めて、雄…

サマセット・モーム『お菓子とビール』

お菓子とビールというタイトルに惹かれた。原題はCakes and Ale. くちあたりの良い組み合わせ。モームの描く、イギリスのとある文豪と女の話。 表紙の写真につられて、文章はセピア色の映像で再生される。若きドリッフィールドたちが乗る自転車はきっとやけ…

ヘミングウェイ『老人と海』

[あらすじ] キューバの老漁夫サンチャゴは、長い不漁にもめげず、小舟に乗り、たった一人で出漁する。残りわずかな餌に想像を絶する巨大なカジキマグロがかかった。4日にわたる死闘ののち老人は勝ったが、帰途サメに襲われ、舟にくくりつけた獲物はみるみる…